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[Chapter.06]鼓膜切開に対する考え方鼓膜切開に対する考え方

中耳炎の治療方針中耳炎鼓膜切開について

まず皆様にお伝えしたいことは、当院では切開をした方が良いと考えられる患者さまには
積極的に切開をおすすめすることにしている
と言うことです。
耳鼻科の受診をする際に「中耳炎かも……?」と思っている方でも、
初めから「切って、良くして欲しい」と思っている方はほとんどいらっしゃいません。
 
当院においても、まず受診時のお鼻のお掃除やお薬による治療を試みることにしています。
その上で、治療の経過がかんばしくない患者さんには鼓膜切開を推奨いたします。
 
「鼓膜切開をせずに治療を行いたい」と希望される患者さんもいらっしゃいますが、
「鼓膜を切るって何か怖い」「鼓膜に穴をあけるリスクってあるんじゃないの?」
「穴が閉じなかったらどうしよう?」と考える一方で、
切らないリスク」にも想いをめぐらせて欲しいのです。

当院に初めて来院される方の中には、それまで中耳炎の治療をしっかり行わず、
鼓膜が正常に発達せずに成長してしまっている患者さんもいらっしゃいます。
鼓膜がペラペラで薄くなっていたり、凹みが強く中耳の骨とくっついて
しまっているような方たちです。そのような方は、その後もなかなか良くならなかったり、
治療が難しかったりする事が多いのが実状です。
 
患者さまの心配とは裏腹に、一度鼓膜にあけた穴はたいていの場合、
驚くほどすぐに閉じてしまいます。と言うよりも「もうちょっと長くあいていて、
しっかり治ってくれよ」と言う医師の願いにもかかわらず、
すぐに閉じてしまい、そしてまたすぐにウミ・お汁がたまってくるものなのです。

治療前の鼓膜です。中耳に黄褐色の滲出液が溜まっています。
OtoLAMを用いて切開を行いました。円形の穴があいているのが確認されます。
数ヶ月後の鼓膜です。新たな滲出液も無くきれいに治癒しています。

「より安全に、痛みも少なく、 そして治療の効果が高い鼓膜切開を行いたい」「より安全に、痛みも少なく、そして治療の効果が高い鼓膜切開を行いたい」

そのための設備が先ほども述べたレーザー鼓膜切開装置であるオトラムです。
通常のメスによる切開よりも痛みが少ないと言われており、またきれいな円形の穴を思い通りのサイズであけられるため、
より高い治療効果が期待できます。
さらに重症の中耳炎の患者さまの場合、治療効果を高めるためのチューブ挿入を行う事も容易です。

「出来るだけ切らずに治したい」
そのお気持ちもわかりますが、なかなか治らず中耳炎の治療が
膠着してしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「切らずに治るのなら、切らずに治しましょう。
 でも切ることで治せるのなら、一度考えてみてはいかがでしょう?」

それが高槻やまもとクリニックのスタンスです。
もちろん「受診したその日に、有無を言わせず切開する」と言うことはありません。
きちんと説明をして、了解をいただいてから切開を行いますし、
初回に切開を行う事はごく稀です。

ぜひ一度当院を受診してみてください。ぜひ一度当院を受診してみてください。

その上で、やはり「切らないと治らないのかな?」と思った時は
医師に相談して、そして決心していただければ結構です。
我々も出来るだけお役に立てるよう力を尽くします。

当院では全国でも導入例の少ないレーザー鼓膜開窓装置であるオトラム(OtoLAM)を導入しております。