急性中耳炎の症状や治療
さまざまな中耳炎の症状はスコープをのぞいた時にどう見えるの?診断時の症状とその経過がよくわかる事例を
ご紹介致します。いろいろな疾患をのぞいてみよう!
急性中耳炎の症状とその経過画像
急性中耳炎の原因
乳幼児の8割方は一度はかかる中耳炎です。カゼなどの炎症の後で中耳にも炎症が起こるケースが殆どです。
カゼによって鼻やノドにいた細菌が耳と鼻をつなぐ耳管(じかん)を通して中耳に達し、炎症が置きます。
お子さんは耳管(じかん)の傾きが大人に比べて水平に近く、管自体も短いため、菌やウイルスが中耳に到達しやすいのです。
お子さん方が大人に比べて頻繁に中耳炎にかかるのはこのためです。
「耳が痛い」「耳だれが出る」「発熱」などが挙げられます。
「耐性菌」と呼ばれるお薬が効きにくい細菌が原因となる中耳炎が増えてきており、
時代とともに小さなお子様の治りが悪くなってきています。
放置しておくと、滲出性中耳炎や慢性中耳炎に移行する場合があるため、注意が必要です。
急性中耳炎の画像
急性中耳炎の一例です。鼓膜の発赤が見られます。
急性中耳炎の経過
急性中耳炎の経過です。診断がついた後(図1)、鼓膜の腫れがひどくなったので(図2)、切開を行いました。(図3)
しばらくは耳漏が出ていた(図4)のですが、その後は改善が見られます。(図5)
急性中耳炎の治療法
まず第一にお薬による治療で、中耳炎の原因となる菌をたたくためのお薬を服用して頂きながら、
その上で通院して頂いて鼻と耳の治療をおこないます。
鼓膜が腫れている場合に、麻酔をした上で鼓膜を少しだけ切り、溜まったウミを出す鼓膜切開も症状に応じて行います。
急性中耳炎に対する高槻やまもとクリニックの取り組み
当院ではレーザー鼓膜切開装置であるオトラム(OtoLAM)を用いて、鼓膜切開を行っています。外耳道(耳の穴)の小さな0~1歳のお子様に対しても、レーザーにより出血が少なく、きれいな円形の穴を瞬間的に鼓膜に開ける事が出来ます。メスで切開した傷より、ゆっくりと時間をかけて治す事が出来るのも特徴のひとつです。「穴が閉じるのが遅い」と言うと心配される方もいるのですが、切開した穴がゆっくり閉じる事により、長期間にわたる中耳の換気を行う事ができ、膿汁の再貯留を防ぐ効果があります。そのため、急性中耳炎に対して、より効果の高い鼓膜切開を行う事が出来ると言えます。